今回は
「根抵当権の元本の確定が、登記記録上明らかかどうか」
をまとめたいと思います
①確定期日の定め → 確定期日の到来
明らか
確定期日 令和5年12月31日
のように、具体的に登記されるから
②「根抵当権者」または「債務者」の死亡
明らか
相続登記をすると
令和3年12月31日 相続
のように、死亡した日が登記されるから
したがって、死亡したにもかかわらず、相続登記がされていない場合は、明らかとはならない
③「根抵当権者」または「債務者」の合併・分割
明らかではない
これは、設定者の確定請求によって確定しますので
↓
確定請求したことが、不動産登記の登記記録に反映されるわけがありません
④設定後、3年経過後に、「設定者」が確定請求したとき
明らかではない
理由は③と同じ
⑤「根抵当権者」が、確定請求したとき
明らかではない
理由は③と同じ
⑥根抵当権者(私人)が、次のことをしたとき
1 競売の申立て
↓
その後、根抵当権者が自分で差押えの登記 → 明らか
2 担保不動産収益執行の申立て
↓
その後、根抵当権者が自分で差押えの登記 → 明らか
3 物上代位による差押えの申立て
明らかではない
これは、例えば、建物が火災で焼失し、その火災保険金を、根抵当権者が差し押さえるケースです
つまり、火災保険金という債権を差し押さえるに過ぎないので、不動産登記とは関係ありません
⑦根抵当権者(官公署)が、次のことをしたとき
根抵当権者が自分で差押えの登記 → 明らか
これは、1個しかないので、常に明らかです
⑧根抵当権者が、次のことを知ったとき
明らかではない
1 誰か(例えば、後順位抵当権者)が競売手続を申立てたこと
2 官公署が滞納処分による差押えをしたこと
↓
知ったことが、登記されるわけがないからです
⑨「債務者」または「設定者」の破産
【債務者】 → 明らかではない
債務者は、根抵当権の登記の単なる登記事項であるため、破産の登記がされるわけがないからです
【設定者】
1 自然人の場合 → 明らか
甲区(所有者の欄)に、破産の登記がされるから
2 法人の場合 → 明らかではない
法人が破産した場合、商業登記の方に破産の登記がされるので、不動産登記の方には何の登記もされないからです
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